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12/3/2009 - Quote

日本語書体は、ひとつの正方形のなかに1文字というふうにつくりますが、欧文書体のデザインは、アルファベットの大文字「 I (アイ) 」や小文字「 i 」は字幅が狭く、「 M 」や「 W 」や「 m 」 は字幅が広い、というふうに、1文字1文字の字幅が大きく違います。そのため、字の形がきれいにできても、字幅の調整が下手だとリズム感が乱れるし、黒みのムラも気になります。結果的に文字の個々の形はよくても読みづらくて使えない書体になってしまうことがあるのです。

本文用の欧文書体のデザインというのは、最終的には「単語になったときの形が完成形」という考えでつくります。ひとつひとつの文字は、例えば小文字「 l (エル) 」なんてわりと単純で特徴を出しにくいのですが、それが単語のなかで使われたときに単語として表情を持っていればいいわけです。しかも、読者が目障りと感じないで読み進めることができるくらいに。

しかし、どういう単語が組まれるかは予想できません。そのため、どの文字の組み合わせでも字と字との空きが一定に見えるように、いろいろな組み合わせをテストして手作業で調整していくわけです。この字幅の調整には、文字の形をつくる時間とだいたい同じくらいかかります。ある欧文書体デザイナーは私たちの仕事をたった一言で見事にこう言い表しました。「私たちは、本当は単語デザイナーなのです。」